以前からずっと気になっていたDropboxとUbuntu Oneを両方同時にインストールして比べてみた。DropboxはメインターゲットがWindows、Ubuntu Oneはまだ頻繁に開発されておりシステムが不安定、と両方ともLinux向けに準備が完璧とは言えないものの、一応安定駆動できるようにはなっている。
Ubuntu One
Ubuntu OneはUbuntu Linuxに元々インストールされているためインストール自体の手間はいらなかったものの、実際に使えるようになるまでが非常に手間だった。また、PCの登録過程で後述の問題が発生した。
セットアップ手順は次の要になる。
- 変更していなければ上部のメニューバー右端辺りにある×印がかかれた吹き出し*1をクリックし、表示されたメニューからUbuntu One...を選択する。
- 自動でブラウザが起動し、ログイン画面が表示される。ここからアカウントを作成。
- さらに進めてウェブサービスからPCを登録する。
ざっと書くとこうなるのだが、最後の項のPCの登録に非常に問題があった。
具体的にいうと複数の問題によりこの登録画面が表示されないことが多かったのだ。しかも悪いことに、登録画面が表示されなかった場合にもエラー画面などには飛ばず、Ubuntu Oneの設定画面が表示されるだけで何らかのエラーが発生したことがまったくわからない。通常何らかのエラーが発生したのならメッセージが表示されると思っていたので、記述されているとおりに操作しているにも関わらずなぜ設定画面が表示されるのか長いこと悩む必要があった。
エラーの原因は複数あるのだが、代表的なエラーはUbuntuOne/FAQ - Ubuntu Wikiに書かれているものだ。しかしこれだけでは解決できないエラーも有り、エラーメッセージを検索してその対策も行う必要があった。
その他の細かい欠点としては、デフォルトで作成されるUbuntu One用のディレクトリ名が「Ubuntu One」とホワイトスペースを含んでおり一抹の不安があること、ウェブストレージ以外の機能が邪魔と感じる場合があること、などが挙げられる。
Ubuntu Oneまとめ
まだ開始したばかりのサービスであることを考慮しても非常にUIが悪く、性能や付加機能以前にウェブストレージとしてスムーズに使えないことは致命的な欠点である。
Dropbox
元々Windows用のサービスだが、Linux用のパッケージも用意されており非常に簡単にインストールできた。手順としては公式サイトからパッケージをダウンロードし、ダブルクリックからインストールするだけである。
インストールするとホームディレクトリにDropboxというディレクトリが作成され、その中のファイルが自動的に同期される。また自動的にタスクトレイ?にDropbox用のアイコン+バックグラウンドでデーモンが走り、常にディレクトリ内を監視しながらアップロード/ダウンロードを繰り返すようである。
なれるまでしばらく使ってみたが、使用中にもほとんどストレスを感じず、目立った問題も発生しなかった。あえて問題を挙げるとすれば、おそらくCPUリソースと通信帯域を占有しないためもあるのだろうが、最初のアップロードが非常に低速で(0.1kB/s！)数百MBのファイルをディレクトリに置いた場合、完全にアップロードされるまで数十分かかることである。もっともこの通信速度は徐々に上昇していき、最終的に数十kB/s程度までに上がった。速度が上がっている途中ですべてのファイルのアップロードが終了したので、通信速度のピークはもう少し上だと思われる。
Ubuntu OneとDropboxの比較まとめ
今回の評価では圧倒的にDropboxへ軍配が上がった。Ubuntu Oneはまだ新しいサービスであるものの、それ以前のUIなどでユーザーへの配慮が非常に欠けている印象だった。Ubuntu Oneは今のところWindowsで使用できないことも含めると今後大幅な改良がない限りはウェブストレージサービスはDropboxの方が優れている、といえるだろう。
また、なによりUbuntu Oneに期待できない理由はデフォルトで使用するフォルダにホワイトスペースを使用するセンスである。さんざんProgram Filesで面倒な目にあった身としては、このような命名をしてしまうようなディベロッパーにはなにも期待できないと思ってしまう…。
*1:me menuというらしい
