転職ドラフトの体験がすごくいいよ、という話

読み飛ばしていいまえがき

この記事は 転職ドラフト体験談投稿キャンペーン|転職ドラフトReport を見て、ちょっと美味いもの食うか、と思って書いた記事です。 なんですが、記事書いている時点でまだ転職活動が終わっていなくて、

記事は転職ドラフトでご転職の企業への内定承諾日より180日以内に該当フォームから応募されたものに限ります。過去の記事のコピーなどは認められません。

を満たしていないことが書き始めようとした時点で気づきました。 が、まあ転ドラの体験が2度ともとても良かったのでリブセンスさんには感謝しているし1、久しぶりに軽いアウトプットしたい気分だったので書きます2

なので、 こちらの記事は転職ドラフト体験談投稿キャンペーンに参加してい ません

私の転職ドラフト利用歴

僕の転ドラ利用歴を書くと、転ドラで転職2回しています(1個は現在進行中)。 最初は2019年の2回目の転職のときに利用しました。たしか導線はtwitterのPRだったと思います。そのときは転ドラ経由で入社を決めて、今2024年の3回目の転職活動も転ドラを使っています(今面談面接進行中)。

転ドラ、何がいいか

早速推しポイントを語っていきます。

年収の決め方の公平さ

僕の最初の転職はgreenやforkwellなどを使いながら結局GitHubのメールアドレスにDMで来た企業へ入社を決めました。 その企業に決めたこと自体はとても良かったのですが、年収の決め方は今考えるととても残念でした。 こういうときに起きうる不幸が自分を安売りしてしまうことです。 特に最初の転職は本当に自分を採用してくれる企業があるのか不安なので、希望より下の年収を言いがちです。企業側としてはハイスキルな人が来てくれるならどれだけ安くても構わないと考えるところが多いので3、普通に適正年収から百万単位で低い年収になるケースがザラにあります。

僕の場合、後に転ドラを使って当時の自分がどれくらいで入札されるか見てみたところ、やっぱり100万円ぐらいは差があったなあと思いました。

転ドラの場合、複数の企業があなたをこれぐらいの年収で雇用したい、と向こうから提示してくれます。なので、自分を過度に安売りするリスクが低いです。これは転ドラのコアアイデアであり、他の転職サイトにない、非常に優れた仕組みだと思います。

年収についてもちっと書くと、僕は必ずしも高い年収がよいと思っているわけではありません。当然、働く場所が自分にあっているか、事業内容や企業理念・文化がマッチしているかなども人によっては年収より重要ですし4、また自分の成長機会を求めて低い年収でスタートアップに行く、というのもいいと思います。僕の最初の転職はだいたいそういうものでした。 ただ、明確なトレードオフもなく買い叩かれにいくのは反対です。 というのは、年収、言い換えると企業側の社員への投資は期待値でもあるためです。低い年収で買い叩かれるということは、面白い仕事が回ってきづらくなります。重要な役割や大きな意思決定も任せてもらいにくくなります。そういうふうに働きたい、というのでなければ避けたほうが無難です。

選ぶのではなく選ばれることの楽さ

やったことがある人なら分かると思いますが、転職活動はめちゃくちゃ大変です。僕は転職エージェントを使ったことがないのでその場合はわかりませんが、linkedinやgreen-japan, forkwell, マイナビなどの一般的な転職サイトの場合、自分が合いそうな企業を探したり、自分の経歴を見て声をかけてきた企業を無限にフィルタリングする必要があります。これがとても大変です。相手も人間なので断るにしても失礼にならないようにする必要があります。 また、それらを働きながらやる場合は日中仕事をして夜間や休日そういった作業をやる必要があります。とても疲れますし、同僚や会社にいわずに転職活動をしている場合は後ろめたい気持ちもあり心理的に疲弊します。 自分にピッタリの企業があるんじゃないか、もしくは数多の企業内から最良の企業を選びたい、といった心理状況に陥っていると、際限なく時間がかかり、どんどん疲弊していきます。そうなるとどうなるかというと、疲れて早く楽になりたい、という気持ちになり、雑に入る企業を選んだり、逆に転職を諦めてしまいます。

転ドラの場合、向こうがこちらの経歴・レジュメを見て、よさそうだと思ったときに入札してくれます。 これにはいい点がいくつもあります。

1つは企業選びで無限に時間が取られない点です。上記のような終わりのない疲弊を避けられます。

もう1つは、自分では気づいていないけど実はあっている企業や高く評価されるポイントなどが見つかる点です。僕の2回の転ドラ経験で指名を承諾した企業のうち、事前に知っていた企業は半分だけでした。

最後の点は、応募してみたら実は企業側がすでにそのポジションを募集していなくて、能力如何にかかわらず落とされる、という不幸がない点です。これについてちょっと補足します。マイナビやgreen-japanのような募集サイトの記述ですが、企業側が常にアップデートしているかというと必ずしもそんなことはありません。半年・一年ほったらかしで実は内部的にはもう募集していない、もしくは書いた時は緊急性が高かったけど今はそうでもない、といったことが普通に起きています。 で、そんな募集に応募したらどうなるか。最初のやり取りで「今は募集していないんです、すみません」となるのは最も誠実でマシなパターンで、最悪の場合「もう募集していないけどよっぽどいい人物なら取るか」や「募集していないけど募集していないって言ったら怒られるから面接を形だけして落とそう」となるわけです。 このパターンが最悪なのは、自分の客観的な評価と自己評価がずれることです。例えば自分にKubernetesAWSについての確かな経験があり、募集要項にそれらの能力を持つ人を強く募集!と書いてあったとします。その状態で面接を受け、見えない内部事情により実力にかかわらず落とされたとしたら、自分の実力が足りないのかと不安になります。あるいは企業側が不採用の理由として落とした本質ではない、揚げ足取りのような理由を伝えてくるかもしれません。そうなると自分の実力を誤認するわけです。 この点、転ドラは今必要な人材を毎月指名する形になるので、空募集だった、ということはほぼありえません。

雑なリクルートのストレスがない

greenやlinkedin、twitterあるいはfacebookのような媒体でDMにより声をかけられるのはありがたいこともありますが、転職ドラフトに比べて体験が劣ります。 なぜかというと、そういった接触はリクルーターやエージェント側がこちらのことを良く知りもせず乱発しているからです。多くの場合が、プログラミング言語やSRE、Kubernetesなどのキーワードだけを見て声をかけているわけですね。それでカジュアル面談してみると実はお互いがまったくマッチしていなかった、といったことがザラにあります。 また、テンプレートを使って乱発しているからか、こちらが誠実に返答しても先方が返答なしになったり、数日後にやっと返事が返ってくる、のような失礼な対応も多いです5

じゃあ転ドラはどうなのかと言うと、劇的にマシです。 まず、入札企業はこちら側の職務経歴書その他へ目を通しているため、あからさまにアンマッチな指名は行われません。一方で入札される側は非常に重要な要素である年収が入札時点でわかるため、フィルタリングが劇的に楽になります。 転ドラ上でもレジュメを良く確認せず一旦入札を多数行い、カジュ面・面接で大きく絞るようなことをしている企業がないかといえば、たぶんあります。 が、それ実は転ドラのサイト上で簡単にわかります。

2024年3月回参加企業一覧|転職ドラフト - ITエンジニアを競争入札

このページから各企業の過去の入札履歴がまるわかりなので、その企業の社員数と指名数を比べて極端に指名数が多い企業は注意したほうが良いです6

また、承諾率が極端に低い企業も指名された側の多くが指名理由や年収提示に納得していない → よくマッチングを精査していない、という可能性があります。

指名の透明性が高い

前述のグラフなどもそうですが、各種値を隠さず公開してくれるのは非常に信頼できます。 転職市場そのものが企業側と雇用者側で情報の非対称性があり、その気になれば企業側が買い叩くようなことができる関係上、この透明性の高さは非常に好感が持てます。 また、自分が何となく気になっている企業から指名がなかったとしても、その企業がその月まったく指名がないのか、あるいは自分の業種の指名が今月あったのかなかったのかなどがわかるので、自分の実力が足りなかったのか、それとも単に募集していなかったのかなどがわかります。

これも含め僕は転ドラの開発運営から一貫した誠実さ・正直さを感じるのですが、僕が今回の転職でも最初の手段として転ドラを選んだのはこの点が大きいです。

転ドラ、ここは良し悪し

直近何回かの結果を見ると、1名当たりの平均指名数は3前後です。実際には人気のあるエンジニアには多数の入札が入るので、中央値は2ぐらい、0の人もいるのではないかと思います。 あまり指名が少ないと比較もし辛いので、ある程度の入札はほしいところです。

余談

ここからは自分の経験からの推測ですが、ちゃんといい経験をしてきたのに入札が少ない人は転職ドラフト上で職務経歴や目標、野望などのところをちゃんと書いていないのだと思います。僕がこの企業いいなと思って指名を受諾した企業はみんなちゃんと僕のレジュメを読んでいました。あと、単純に量が書けていない = 判断に足るほどの解像度で書けていない、ということもありそうです。僕の場合、職務経歴書だけで2万文字ありました(多すぎるので、冒頭に重要なプロジェクトはこの3つです、と書いてあります)。 この他にも様々項目あるので企業側としてもかなり大変なはずですが、詳しく書いてある分にはその気になれば読み飛ばせるので、なるべく詳しく書いたほうが良いと思います。

転ドラ、ここがイマイチ

僕は転ドラこんなに推しているのに、利用者が拡大していないのが残念です。 僕はこの ①企業側から入札する ②年収の提示がある というのは唯一無二かつ圧倒的な強みだと思っています。なので転職サービスの覇権を取りうるし、体験がいいので取ってほしいと思っていますが、参加人数を見てもいまいち伸びていません。 確かにいろいろ難しそうな点はあって、別種の2つのお客さんがマッチングする必要がある以上、企業側と雇用者側が足並み揃えて育つ必要がある(出ないとマッチング = 入社が増えない)のは、難しそうです。 あと、エンジニアのレジュメを見るのが大変そうなのもあります。募集要項をサイトに載せれば一旦待ちの姿勢でよい外の転職サイトと違い、転職ドラフトは企業のリクルーター自身が1人1人の潜在的な候補者を精査する必要があります。実際僕のレジュメなんてちゃんと読もうとすると30分はかかります。この辺、機械学習やAI技術を駆使してマッチング度みたいなのを推定できればいいのかもしれません。

まとめ

転ドラの良いところを語っていきました。 実際、僕の3度目の転職も転ドラ経由で決まりそうですし、個人的には転職を考えているすべてのエンジニアに使ってほしいと思っています。 現状の自分の市場価値を知るだけでも結構大きいので、転職を検討中のエンジニアはぜひ一度使ってみてください。指名禁止企業という機能を使えば特定企業から見えなくもできるので、現職にバレずに活動もできます。

メモ: この記事は3時間ぐらい書けて書きました。


  1. リブセンスの採用に真剣に応募しようか何度も考えるほどにはかなり好き
  2. 技術系のアウトプット、自分の専門領域なので間違いがないよう気をつける必要が増しており、最近筆が重くなりがち
  3. 実際には安く買い叩く行為は企業側にもデメリットが有るのですが、ここでは割愛
  4. 僕は事業内容や企業理念はあんまり気にしないタイプです。それらを軽視しているのではなく、運用が大事でつまり文化が最重要だと捉えています
  5. 実はこの記事を書くきっかけになったのがこれ。転ドラに比べてあまりに体験が悪すぎて、転ドラのほうがずっとよかったと書きたくなった
  6. 例えば、社員数50名の会社で入札を30人もしているとしたら、乱発気味の可能性が高い