就活のついでに京都観光してきた

某社の会社説明会があったついでに京都の美術館めぐりをしてきた。めぐりと言っても京都国立近代美術館とその向かいにある京都市立美術館に行ってきただけなのだが。
京都国立近代美術館では特別展で麻生三郎という昭和の画家の特集をしていたのだが、どの絵も抽象性が高いため似非美術愛好家の自分にとっては分かりにくかった。それよりも常設展の方の近代美術がおもしろくて、素人の自分が見ても楽しめるような作品が多かった。京都近代美術館の所蔵の中で有名なものとして、北大路魯山人の焼き物やピカソの絵などがあり、どちらも非常に興味深かったが、その他の一点一点もそれぞれ創意工夫や新しい視点があり同じくらいおもしろかった。
特におもしろかったものとして幾何的な十字を並べたモンドリアンの作品「コンポジション」や、堂本印象という人の作品が既存の水墨画を現代風に改良したもののようでよかった。
今回特別展と常設展を見て思ったのは、素人の自分でも近代・現代美術は十分楽しめる(前衛的すぎて分かりにくい、ということはない)ということと、やはり抽象画は難しい、ということだった。抽象画はおそらくその画家がどういう背景でその絵を書いたのかというコンテキスト、前知識が十分にあれば素人でも楽しめるのかもしれないが、今回のように思いつきでパッと入って楽しむのは難しいのだと思う。

近代美術館の後は向かいの市立美術館に行く予定だったのだが、どうやらちょうど小学・中学校児童の作品の展覧会をしていたらしく、児童と保護者の入場者が非常に多くて混雑していたので今回は止めることにした。一日に全部回る必要もないし、こうしておけばまた京都にきたとき美術館に来ようという気になる。

しかし思ったより時間が余ってしまったので周囲を散策していると、すぐ近くに平安神宮があることに気づいた。平安神宮は記憶の限りでは保育園のときに一度遠足で行ったきりで、それ以来二十年ほど行ってない。時間も余っていることだし場所もすぐそこなので、歩いていくことにした。
二つの美術館は通りを隔てて向かい合って立てられているのだが、その間には高さ20mにもなる大きな朱色の鳥居がある。最初バスから降りたときにはいったいなんの鳥居なのかと思ったのだが、平安神宮が近くにある、ということはその鳥居なのだろう。しかし、その距離が半端ない。近いとは行ったもののそれは歩いて数分、という意味で平安神宮の入り口へは軽く200mぐらいはあり、その間にある公園や運動場もおそらくその敷地なのだと思う。また平安神宮の入り口から入った境内の大きさもサッカーコート2面分ぐらいはあり、この境内のまわりをさらに巨大な庭園が囲っているのだから全体の敷地面積は一体どれくらいあるのか想像もつかない。受験の時などに親のすすめで何度か北野天満宮に行ったことがあるが、確実にあれより広いだろうことは間違いないと思う。

一通り中を見て回ったのだが入ったその場所だけで圧倒されてしまって庭園を見て回る気力がなくなってしまった。ちょうど一時も回っていたのでそこから見知った四条河原町までバスで戻り飯屋を探して店を冷やかし実家に戻った。個人的にはずっと行きたかった京都の美術館に行けて非常に満足した。今回は近代美術を見て回ったので、次回機会があれば今度は京都らしい掛け軸や書の作品を見に京都国立美術館の方へも足を伸ばしたい。